聖杯戦争九日目、2月8日の朝の描写からやっていきます。前回はこちら。
時系列を整理すると、認識違いがなければおそらく以下の流れになっています。
※「聖杯戦争〇日目」については、プロローグ開始の日付からカウントしています。
聖杯戦争時系列 ※クリックorタップで表示します。
1/31(木):プロローグ。世界観説明、人物紹介が続く。(聖杯戦争一日目)
2/1(金):深夜1時に凛がアーチャーを召喚。士郎はバイトなどをして過ごす(聖杯戦争二日目)
2/2(土):登校→慎二に弓道部の雑用を押し付けられる→アーチャーVSランサー目撃→口封じに殺される→凛に助けられる(聖杯戦争三日目)
2/3(日):日付が変わった頃に家に帰り着く→ランサー再来→セイバー召喚→教会でルール説明を受ける→教会からの帰り道でイリヤに襲われる→重傷を負いながらも衛宮邸に帰還、アーチャー陣営と同盟(聖杯戦争四日目)
2/4(月):凛の下宿を説明→登校、結界について情報共有→家に帰ってセイバー紹介(聖杯戦争五日目)
2/5(火):登校、結界の基点調査→慎二のマスターバレ、同盟交渉→交渉決裂して帰宅→慎二から得た情報を共有→柳洞寺に乗り込むかどうかでセイバーと対立(聖杯戦争六日目)
2/6(水):深夜、セイバーが単独で柳洞寺を襲撃→VSアサシン→引き分けて帰宅→士郎を鍛える流れに→夜が明けてから、学校を休んでセイバーと稽古→買い出し中にイリヤに会う→夕食時、脱衣所でタオル一枚のセイバーとエンカウント→凛の魔術講座→アーチャーとの初対面(聖杯戦争七日目)
2/7(木):学校を休んでセイバーと稽古→昼の買い出しでイリヤに会う→午後もセイバーと稽古→帰宅した藤ねえにぬいぐるみを貰う→ライオンのぬいぐるみに興味を示すセイバー→夕食後、凛に魔術回路のスイッチを開いてもらう→アーチャーのアドバイス(聖杯戦争八日目)
2/8(金):今ここ(聖杯戦争九日目)
冬木の聖杯戦争って意外とのんびりしてるんだなあと思っていましたが、こうして並べてみると三日おきくらいには戦闘があるんですね。
今回の2月8日では、いよいよライダー陣営と衝突していきます。例にもれず感想が長くなってしまうので分割して書いていきます!
様々な媒体でネタバレ把握済みの人間による、Fate/stay night初プレイ記です。
このゲームのアニメ版や、型月の他作品の展開を絡めながらの考察、率直な感想を書き綴っていきます。
以下、stay night・FGO・その他型月作品のネタバレ注意!
「アニメは見たけど原作ゲームは未プレイ」という方や、「FGOから入ってリマスター版が気になっている」という方の参考になれば、あるいは、原作プレイ済みの方の考察の足しになれば幸いです。
過去の夢

2月8日は、冬木の大災害の夢から始まります。
昨夜、魔術回路のスイッチを入れた際に発熱したせいで、それに引きずられる形で「炎の熱に晒された夢」を見てしまったのでしょう。
「起きてしまった過去の出来事に過ぎないから、特別痛いとも思わないし怒りも湧かない」らしいですが、こうして頻繁に夢に見るというのですから、そんなはずはないのでは。
心が麻痺して、「なんともない」と錯覚しているだけではないでしょうか? はたまた、本当に割り切れているのか。
強迫観念じみた奉仕精神を鑑みると全然克服できてない感じがしますが……。
この辺りはちょっとセンシティブ過ぎて、外野があれこれ考察するのも憚られる気がしてしまいます。
覚醒、そして朝食
夢から覚めると、そこにはセイバーの姿が。藤ねえが呼んでいると教えてくれます。
時計を確認すると七時過ぎ。「六時過ぎで寝坊」の衛宮家なのに、聖杯戦争が始まってからこうして頻繁に寝坊していますね。
夜遅くまで起きてるし、日中は何時間も稽古をしているし、むしろこの程度で済んでいる方が凄いと思います。
どうやら、「朝食の時間は過ぎてるのにごはんが出てこない!」という理由で藤ねえに呼ばれているみたいですが、いや……それくらい自分で用意してくれ。
急いでトースト用意したらそれにも文句を言われるし。わざわざ朝食を作ってくれた人間に対して、「なんでこれだけなの」だと……?
「なんだァ? てめェ……」とキレるところですよ普通なら。文句で済ませる士郎は偉いな。
う、うおー! なるだけ登場キャラに悪感情を持ちたくないのについマイナスな感想を抱いてしまう……! 落ち着け、クールになれ。
セイバーとの稽古
藤ねえが出勤した後、セイバーとの稽古開始です。
しかし、昨夜は凛の荒療治で発熱しており、それがまだ続いているのに加え、凛が今日から学校を休んで見学しているので集中できない様子。
息が上がって休憩を申し入れる士郎に対して、セイバーは容赦がありません。

問答無用で稽古は続けられ、結局三時間打ち合った後にやっと休憩、という名のお昼ご飯です。昼食を用意している士郎の背後、居間のテーブルを囲んで、凛とセイバーが仲良く会話します。
主に、凛が誉めてセイバーが謙遜する、という流れでしたが、凛からセイバーへの評価の高さや、セイバーの自己認識の無機質さが印象に残る会話でした。
凛はずっとセイバーをべた褒めしています。この二人が主従だったら、それはそれでいいパートナーだったでしょうね。
凛は魔力量が豊富だし、セイバーが鬼のように強くなりそうです。
それはそれとして、こんなに和気藹々と過ごしておいて「今は同盟関係だけど、いずれは聖杯をかけて敵対関係に戻る」なんてことが本当にできるんでしょうか。

「女として負けたとショックを受けた」という凛に対し、「一度も自分を女性と思ったことはないし、女性扱いを受けたこともない」と返すセイバー。
「だから、自分が女性として華やかであるはずがない」とも。
そんな会話を背後でされたら、「セイバーは女の子なんだから」と思っている士郎は当然ながら不機嫌になります。
苛立ちをぶつけるように、ダンッダンッと乱暴に包丁を叩きつけて鶏肉を捌いていく……あああ細菌が! まな板の傷に入る!
「自分を騎士だと認識しているセイバー」と「セイバーをただの女の子だと思っている士郎」の溝を強調する描写が積み重なっていきますね。
ところで地の文に「ぼてくりまわす」って普通に出てきてびっくりしたんですが、これって方言ですよね?
「ぼてくりまわす(ぼてくり回す)」は、主に福岡県や佐賀県などの九州地方で使われる方言で、「(人を)力任せにボコボコに殴る」「殴り倒してめちゃくちゃにする」という、非常に激しい暴行を意味する言葉です。
うんうん、思った通り方言です。
そういえば冬木って九州でしたっけ。一人称視点の地の文で方言を使うことで、冬木市が日本のどこにあるのかを暗に示しているということでしょうか。
※ちなみに、単に作者の慣れた言葉を使っただけ? と思って奈須きのこさんの出身地調べたら千葉県と出てきました。

士郎の異常性についての伏線
午後からは凛主導の魔術訓練です。
昨夜は用意されたランプを全部壊してしまい終了しましたが、今日は用意されたランプ四十個のうち、二十個試した段階で五つ成功しました。目覚ましい進歩です。
ここで、「五つも成功したならテストとして十分では? 年代物っぽいランプを壊すかもしれないのは忍びないな~」と考えた士郎が、凛を呼びに行くかどうか迷う選択肢が出てきます。

これは絶対、呼びにいかないと重要な情報取りこぼすやつでしょ! と「遠坂を呼びに行く。」を選択。
いや、案外「大人しく待つ。」の選択肢の方が重要イベント発生する可能性もありますが、ここは常道と思われる選択を取ります。
訓練の結果を報告しようと凛を探す士郎、居間にもいない、廊下にも気配がない、そうして探して回り、土蔵の前までたどり着きます。
すると土蔵の中から凛とセイバーの話し声が聞こえてきて、その剣呑な雰囲気に声をかけるのをためらい、結果的に盗み聞きする形になります。

「アイツは魔術師なんかじゃないわ」
「アイツは何処にもないモノをここに持ってきてしまっている。此処には在ってはならないモノをカタチにしている」
「現実を侵食する想念」
「アイツの魔術は、きっと、ある魔術が劣化しただけのモノなんだわ」
あっ、これ、土蔵の中に放置されていた「失敗作」が見つかってますね。
物語の冒頭あたりにもついでみたいに描写された「投影の失敗作」ですが、凛ほどの魔術師になると、見ただけでその異常性が分かるということでしょうか。
昨夜の凛の説明からすると「投影魔術は一から十まで全て魔力で構成されている」とのことなので、魔力の塊が霧散せずに存在し続けているのは確かに恐ろしいことでしょう。
凛の言葉が何を指すか分からないなりに「これは自分が聞いてはいけない話だ」と直感した士郎は、二人に声をかけないまま部屋に戻っていきます。
私だったら「何それ何の話?」と聞きに行っちゃいそうです。空気読み能力が士郎以下なのか……私は……。
慎二からの電話
何事もなかったかのように部屋に戻って残りのランプで強化魔術の訓練をし、凛が戻ってこないまま午後二時に。
そんな折、衛宮家の固定電話に着信が入ります。
固定電話……固定電話かー。今の家庭ではどれくらい設置されてるんでしょうか。私が子供の頃は無くてはならない連絡手段でしたが、スマホが普及した今となっては詐欺電話受信機みたいになっていますよね。時の流れは早い。
それはさておき、居留守できない士郎は訓練を中断し、普通に電話に応じます。
電話の相手は慎二でしたが、学校の公衆電話からかけているんでしょうか? それとも携帯を持ってる?
第五次聖杯戦争は2000年代開催とのことなので、それくらいならまあ……お金持ちの子供なら高校生でも携帯持ってるか?
もしも公衆電話だった場合、話している間中ずっと十円チャリチャリしてるかテレフォンカードの残額が減り続けてると思うとちょっと間抜けだな。

遠坂がいるのかいないのか確認してから、「遠坂に内緒で学校に来い」と言ってくる慎二。明らかに罠でしかない。
凛に相談しないといけないしと一度断る士郎ですが、当然慎二が納得するわけもなく「さっさと来い!」と怒鳴られます。
ここの神谷さんの演技(慎二の声優さん)がまた凄くて。
「ひどく興奮しているような、それとも切迫しているような、そんな声だ。」という印象を士郎が抱く描写があるんですが、まさにそんな感じの声です。
ピンと糸が張っていて今にも切れそうとか、コップぎりぎりまで水が張っていて今にもこぼれそうとか、「一線を踏み越えそうになっている人間はこんな声で話すんだな」という切迫感が一瞬で伝わる声でした。
異様な人間の興奮、高揚、一種の混乱状態……とにかく、「うわっ! 変質者だ! 怖ッ!!」となるような名演技です。声優って、凄い。
そんな慎二の雰囲気に呑まれたのか、士郎もはっきり断れなくなっていきます。最終的には、一方的に学校に来るよう命令されて電話は終了。
それにしても、「遠坂にバラしたら本当に絶交するからな」って、今更それが脅し文句になると信じてるんですね慎二。変なところで純粋な奴だな……。
親や兄弟に対して、「言うこと聞いてくれないと嫌いになるから!」と癇癪を起こしているみたいです。無意識でも士郎を信頼してないと出てこないセリフだ。
士郎の決断
「……そうだな。まだ明るいし、問題ないだろ」

行くんかーーーい!
絶対罠なのに!?
いや、百歩譲って行くのは分かる。慎二のテンションおかしかったもんね。何するか分からんって不安があるよね。
凛に情報共有しないのもまあ、ギリ分かる。家にいないならしょうがないよね。
だがしかし、セイバーを連れて行かないのはどういう了見だオメー!!
「学校に行くのならセイバーを連れて行く事もできない。」←分からない。
慎二がライダーのマスターだと分かっていて、学校には危険な結界が張られていると理解していて、2分の1の確率で慎二が犯人だと判明しているのに、サーヴァントを連れずに一人で!?
やはり冬木の大災害で心が死んだから、自分の生死にいまいち興味が持てない……みたいなことが、このお気楽さに繋がっているのでしょうか。
死にたくない理由も、「助かるべき人を差し置いて生き残ったのだから、誰かの役に立つために生きなければいけない」だし。
そう考えると安易に責められませんけども、やきもきするなあ~……。
まとめ
セイバーとの稽古、凛との魔術訓練、士郎の魔術の異常性に対する伏線、そして慎二の明らかな罠。
2月6日、2月7日はのんびりとした展開でしたが、今回からはデッドエンド込みのダイナミックな展開になっていきます。
次回は、ライダー陣営との戦闘に入るところから記事を書いていきます!



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